嫁は海外赴任中

嫁は海外赴任中

台湾で単身赴任中(現在育休中@日本)の嫁の生活を書いています。いつか誰かの役に立てれば幸いです。

妊婦に対する社会 日台比較

無事に妊婦期間が終了し、しばらく出産時のことを書いていたので、久しぶりに台湾が関係することを書くことにする。

⬆︎の続きとも言えるが、今日は日本と台湾の妊婦と妊婦に対する周囲の扱いについて比較してみようと思う。

 

台湾にもあるよ!マタニティーマーク

 

台湾にもマタニティーマークがある。ただ母子手帳と一緒にもらえるわけではなくて、地下鉄や電車の駅でもらえるもののようだ。また、日本ではキーホルダータイプだが、台湾のマタニティーマークはシールだったりワッペンだったりするようだ。『ようだ』というのは、中国語が話せない私は結局もらうことがなかったからだ。さらに言うと、このマタニティーマークを使っている人を見たこともなかった。まぁ単に地下鉄やバスにしょっちゅう乗っていたわけではなかったからかもしれない。

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妊婦に優しい台湾社会

 

ちょっと脱線するが、台北の地下鉄ではどんなに混んでいても優先席が空いているというシーンをよく見かけた。台湾人の先輩から聞いた話によると、台湾では小さい頃からお年寄りや妊婦に席を譲るようかなり厳しく教育されているそうだ。そのため、もし席を譲らない学生を見かけたりすると、ネットで晒されたり、その学生が通っている学校に苦情が入ったりすることもあるらしい。このような背景から優先席に若者が座ることは少なく、座っていても優先席に座るべき人が来るとすぐに席を譲ってくれる。また、優先席じゃなくても、優先席に座るような人が入ってくるとすぐに席を譲る...なんて光景をよく見かけた。

私の場合、お腹がぽっこりしだした妊娠 6 ヶ月以降くらいから台湾で地下鉄や電車に乗るとほぼ 100% で席を譲ってもらえた。さらに優先席に座るようなおじいさんおばあさんが席を譲ってくれることもあり、何だか申し訳なく思ったりした。

そんなわけで、台湾では上記のマタニティーマークが必要なかったということが言えるかもしれない。

 

一方、日本ではマタニティーマークをつけていようがお腹の出方が明らさまだろうが、席を譲ってもらえるか否かの割合は体感的には半分以下だった気がする。一つの原因としては、乗っている時間帯が通勤時間帯で混んでいて席を譲る物理的な余裕さえなかったりしていたのと、日本の電車内では寝ていたり下を向いている人が多く、そもそも気づいていないということもあるのかなと思う。そのせいか、たまに席を譲られた時の感動といったらない。譲ってくれた方が下車するか自分が下車する時には、毎回改めてお礼をしてしまうくらいだ。

また、そもそも優先席に対する意識が台湾人と違うなと感じている。というのもこんなことがあったからだ。妊娠 9 ヶ月目のある日の帰り電車でのこと。私は優先席に座っていた。途中の駅で 30 代くらいのサラリーマン 2 人組(恐らく先輩と後輩)が乗車して、優先席の私の隣に座った。話のキリが良いところで、後輩のサラリーマンが先輩に
「ところで、ここ優先席ですけど(座ってて)良いんですかね?」
と質問した。すると、その先輩が
「(席が)空いてるんだし良いでしょ。必要な人が来たら席譲るし。」
と答えていた。
正直なところ、私も自分が妊娠するまで同じような考えをもって優先席に座ったことがある。けれど途中疲れて寝てしまったりすると、いくら気持ちでは「譲ろう」と思っていたとしても、妊婦さんや高齢者が乗車してきても気づかない。だったら『乗車してくるか否かはわからないけれど、必要な人のために優先席は空けておくべき』という台湾人の考え方はもっともだよな...と反省した。

妊婦は特権階級ではないし、特別扱いしてほしいというわけではない。けれど見た目で妊娠がわからない妊娠初期の通勤はしんどくて、何度となく「席を譲って欲しい...」と思ったものだった。その一方で、私も自分が妊娠するまで妊婦さんの電車のつらさは知らなかったし、車内に妊婦さんがいるかどうかなんて気づくこともなかったから、「他人にだけ望むなんておこがましいな」と思ったりもした。

ということで、自戒も込めて『もっと周囲に気を配って、他人に優しい社会にしよう...』と思うのだった。